国境線
私が語学学校にいたころ。
昼休みや放課後に自分のクラス以外の教室を覗くことがよくありました。
そこの先生が私の担当だったとかそんな理由です。
先生を待っている間に、そこのクラスの子に話しかけるなんて日常茶飯事でした。
名前も知らない相手といつの間にか盛り上がって、先生が出て行くのに気づかないなんてことも度々ありました。
そんな興味深い話の1つに国境線のトピックがあります。
コロンビア人とドイツ人の会話です。
そこに後から私が加わったのですが、カルチャーショックの塊だったんです。
彼らの住んでいたところはどちらも隣国との国境線に近かったそうで、道一本渡った先の民家は別の国のもの。
そういうところだったそうです。
それで、わりとその周辺は自由に行き来できて、より安いものを求めて往来するんだとか。
例えば、ビールがA国では安いからB国民が買いに来る。
でも、石油はB国の方がお買い得だからA国の人はB国のショップまで行く。
みたいな。
日本ではありえないですよね。
まるで県境のような気楽さが国レベルで実現しているなんて!
しかも、その国々の言語が違うこともあるんです。
私は本当にびっくりしました。
だって、私の思い描いていた国境というのは柵があったり、警備員がいたり、ゲートがあったりする、自由に越えることのできないものだっていうイメージだったんです。
私はいっぱい質問しました。
作り上げられた概念はおそらくメディアからきたものなのでしょう。
島国で生まれ育った身としては信じられない事実です。
コロンビア人とドイツ人に言わせてみれば、アメリカの影響だろうとのこと。
あれは全然一般的なことじゃないと教えてくれました。
大国の影響、恐るべし。
善良な市民が自由に交流を持てるすばらしさとその危うさ。
どちらがより良いのか判断することは私にはできません。
でも、それ可能なくらい平和な世の中であるといいと願うばかりです。