私のプリン
カスタードプディングが食べたい!
留学中に何度そう思ったことでしょうか。
スーパーマーケットでもコンビニエンスストアでも気軽に手に入るプリン。
それをまさかこんなにも遠くに感じたことは未だかつてありませんでした。
私がいた国は英語圏なので、それなりに発展していました。
しかし、食への関心が乏しいんです。
よく使われる例え話を紹介しましょう。
食後にこの国の人たちは、
「おいしかった?」
とは決して聞きません。
ただ、こう尋ねてくるだけです。
「お腹はいっぱいになった?」
「充分だった?」
「満足した?」
これは味へのこだわりがないことを揶揄したものなのですが、実際にあるやり取りなので、馬鹿にはできません。
さて、そんなお国柄のせいか、現地の方の料理もそんなに凝ったものではありません。
レストラン等の飲食業界を支えているのは移民です。
ただ1つ、カフェ文化だけは異様に栄えていました。
特にコーヒーは欠かせないものです。
そして、スイーツも、と思いきやそちらはあまり……
あることにはあるのですが、味覚が合わないせいか尋常じゃなく甘いんです。
なので、留学後半はあまりカフェで甘味を食べてはいませんでした。
その代わり、中国人が経営しているベーカリー兼ケーキショップへはよく行っていました。
それでも、彼らは大量の砂糖を使うのでパンが甘すぎて困ったのですが、だいぶマシです。
お値段はスーパーで購入できるものの3倍近くするので、たまの贅沢です。
そこで唯一プリンを見ることができたのですが、やはり高価なんですよね。
最初に私がそこを訪ねた時は5ドル。
それから1年すると5.5ドルに値上がり。
最終的には6ドルにまで至りました。
さすがに1個のプリンにそこまで出せません。
しかも、すごく小さいんです。
これが日本だったら100円で買える……! だなんて思ってしまったんですよね。
結局、6ドルになってからは1回も口にすることなく帰国しました。
さて、戻ってきてから1週間以上経つわけですが、本日やっと念願のプリンを食べました!
コンビニのものですが、とてもおいしく感じました。
懐かしさすらあります。
こんなことも幸せだなんて我ながら得な人間です。