外国暮らしの病

心の病を患って数年。なんと海外に飛び出ちゃいました! そんな私の留学生活日記。→帰国しました

いい匂い

昔から「いい匂いがする」と言われることが多かったのですが、その理由は母にありました。
毎日、一生懸命に大量の洗濯物を処理してくれていたからです。
手洗いしてから洗濯機に入れるものもたくさんあります。
固形洗剤で下洗いするのって結構手間がかかりますよね。
独り暮らしを始めてから知りました。
私は高校を出るまで洗濯機をまともに使ったことがありませんでした。
でも、なんとなくやり方は知っていました。
いつも母がしていたのを見ていたからです。
勉強ばかりに気をとられて、私は家事をほとんどしたことがありませんでした。
でも、母とスーパーに行くのは好きで、どの商品を使っているのかは熟知していました。
だから、同じ洗剤と同じ柔軟剤を使いました。
同じ組み合わせなので、当然のように同じ匂いになります。
私はこれが本当にうれしかったんです。
あの家と同じなんだと思うと胸が苦しくて、恋しくなります。
乾燥機がある分、実家のものの方がいい匂いですけどね。
でも、充分です。
大学1年生の体育の時間。
この時はまだギリギリ体育に参加できていました。
1学年上の先輩が私の匂いを嗅ぎに来ていました。
「なんの柔軟剤?」
と聞かれた時はすごくうれしかったんです。
いつもいい匂いがすると言ってくれていたし、オシャレな先輩にそうやって気をかけてもらえていたのも。
外国にいる間は洗剤も選ぶ余地がなかったので、私はコンディショナーに気を使っていました。
そうすると、アルバイト先の奥さんに「いい匂い」と誉めてもらえていたのです。
今はまた、あの洗剤と柔軟剤を使っています。
実家ではもう別のになっていますが、私にとってはこっちが懐かしい香りなのです。