手を見て
2年前までの私しか知らない人たちに見せてあげたいものがあります。
それは私の手です。
不潔恐怖からくる洗浄強迫のせいで、1回の手洗いに2時間弱を費やしていました。
本当に申し訳ないことをしたと思って、毎日のように後悔しつつも安心を求めて水を使い続けました。
それだけでは足りず、石鹸もたくさん使いました。
そのうち、ハンドソープだけだと汚れが落ちていないと感じるようになりました。
まず食器用洗剤で何度も、それから石鹸で手を洗いました。
すすぎの段階で、失敗したと感じたら、またやり直しです。
それを何度も何度も繰り返しました。
当然のことながら私の手は心と同じようにボロボロになりました。
冬でもないのにアカギレだらけで石鹸を使うたびに痛みました。
それでも、やめられません。
人に怪我について聞かれるのを恐れて、洗剤が合わなかったと言い逃れをしました。
つらかったです。
あながち嘘でもないけれど、隠し通すのが難しくて。
後ろめたくて。
そして今、私の手にはアカギレなんてありません。
手洗いに費やす時間も減りました。
石鹸を使わないときすらあるから驚きです。
しかし、ときどき食器用洗剤を使ってしまう時があります。
まだ完全ではないのです。
それでも確実に良くなっていっているはずです。
少なくとも、初めて会った人が私の病気に気づかないくらいには。