時間感覚
ほんの数年前まで実家と学校のある街の距離がすごく遠いと感じていたんです。
電車に揺られて、その時間の長さに呆然としていました。
眠気なども忘れるほどの孤独と、強迫観念。
駅に停まる度に乗り降りする人に怯え、それなのに駅よ早く早くと願っていました。
荷物は驚くほど多いのに、キャリーケースは使えません。
荷棚も使えません。
真冬はコートも脱ません。
携帯端末に触れません。
お手洗いに立つこともできませんでした。
行き来にこんな苦労をしても、帰りたかったんです。
今もほとんど上記のことはできません。
ただ、携帯をさわれるようになったことと、お手洗いに行けるようになったこと。
たったこの2つでずいぶんと楽になりましたし、暇を潰せるようになったので、時間が短くなったかのように感じます。
これだけのことでかなり変わるんですね。
知りませんでした。
最近は条件さえ整えば、外でも携帯を開けるのですから、成長したものです。
楽しい時間はあっという間ですよね。
それと一緒で、楽な時間も短く感じられるみたいです。
当たり前のことなのに、思い出せもしませんでした。
おそらく多くの人には意識しなくてもいいことです。
でも、これを知った私は幸せ者なんです。
病気がよくなった喜びでもありますから。
苦手なことは誰にだってあります。
それを受け入れたうえで、どのようにしていくのかが問題なんです。
案外、気づかないうちにできていることもありますからね。