散歩道
私は歩くことが好きです。
留学時代もバイト先に行くのに3時間かけたこともあります。
電車もバスも全く使わない日があってもいいし、時間通り来ないものを待っているより気が楽なこともあります。
甘い物を食べに行くのに、ダイエットというかカロリー消費かねてよく歩いていました。
学校へもちょっと距離はありましたが、交通費の節約にもなるので徒歩で通っていました。
毎日そんなに苦痛を感じることはありませんでした。
もちろん外の世界は苦手ですが、あの街を歩いて移動することになんの抵抗もありませんでした。
それなのに、日本ではどうでしょう。
私の実家はかなりの田舎に位置しています。
たくさんの田んぼや畑があって、学校のグラウンドが住宅街に面しているような場所です。
もちろん、遊具のほとんどない、草だらけの公園だって点在しています。
そのせいか、アスファルトの上には大量の砂が被さっていて、私はその上を踏むたびに、靴やソックス、ズボンなどが汚れたのではないかと恐怖します。
これが強迫性障害の理解されがたいところ。
ただ私はこの町の道を散歩したいとは、到底思えないのです。
車を使ってばかりで健康に悪いと家族に勧められ、今日は外をぶらついてみました。
風がほとんどなかったので、不快感は最小限で済みましたが、やはり自発的に通る場所ではないと感じたのです。
外国にいたころは、もう家に帰ったらまずシャワーを浴びるなんてこともしていましたが、日本だと家族の目もあるのでちょっと厳しい。
同居人と生活リズムが違ったからこそできたことなのでしょう。
それにしても不思議なものです。
向こうの方が、自然豊かなのに。
私にはそっちの方が歩きやすいのです。
生きやすい方を選ぶ道。
それを選択するにはもっと大きな努力が要るのです。
まあ、どこで生活するかなんて今は決めてもいませんが。