Crazy Japan 3
日本のおかしなところ。
それが、こんなところにもありました。
それはお菓子です。
幼い頃から馴染み深いミルキーがその正体でした。
キャッチコピーとともに紹介すると、またもブラジル人たちに怪訝な顔をされてしまいました。
曰く、
「ママのことは大好きだけど、ママの味からはとっくに卒業したんだ。それなのに、またママのミルクなんて……」
私はもちろん本物の母乳でないことを説明しました。
確かにアメリカでは過去に母乳で作られたアイスが発売され、それが原因でエイズが広まったという話がありますが、ミルキーはそういったものではありません。
3度目の否定に私もそろそろ、理解してほしい欲が湧いていきました。
そして、
「明日、ミルキーを持って行くから、食べてみて」
と主張しました。
日本のものを多く取り扱っているマーケットへ足を運び、放課後に無事ミルキーを手に入れました。
さすがに7ドルと高くつきましたが、私も食べたかったのでそれだけを購入しました。
次の日、私は宣言通りミルキーを配りました。
唯一の日本人クラスメイトも喜んでくれ、みんなにママの味だと説明してくれました。
パッケージの可愛さにコロンビアの女の子が食いつき、写真撮影が始まりました。
彼女は率先して口にしてくれ、美味しいと絶賛してくれました。
そして、ブラジル人たちも恐る恐る食べはじめました。
そして、美味しいとおかわりまでしてくれたのです!
雪辱の瞬間でした。
ママの味はどこにいてもママの味。
懐かしくて幸せな味です。