ソックスが履ける喜びを知っていますか?
実はソックスが履けませんでした。
日本にいたころは全くできませんでした。
ストッキングとタイツだけは脱ぎ着できますがソックスだけはどうしても苦手でした。
理由は説明できませんが、おそらく床に触れる面積の割合がソックスの方が大きく、脱ぐ際に手が足の裏にあたる面に触れるのではないかという恐れがあるからだと思います。
ホームステイの時代にもずっとストッキングとタイツを使っていました。
それが、フラットに切り替えてから心の体調がよくなり、少しずつできることが増えていきました。
その1つがソックスを履くことです。
ジーンズを履く時にでさえストッキングを使っていたのですが、ここにきてようやく1つ到達点に立った気分でした。
今まで母が買ってくれていたソックスをようやく使うことができることに大きな喜びが生まれました。
私はこんなにも些細なことで喜べる幸いな人です。
病気のおかげで日々の大切さを感じたり、成長を実感できたり、皮肉なことかもしれませんが、当たり前のことがすばらしいと感じるようになりました。
今でも少し不安定な時は靴下をうまく履けなかったり、洗濯機を何回も回したりしてしまいます。
それでも確実に良くなっていることがわかるのです。
もちろん、たくさん泣きますし、苦しむことも多いです。
生きにくいと指摘されればそうだと肯定するしかありません。
面倒じゃない? と聞かれれば悲しくなります。
それで荒れる日もありますし、やるせない気持ちになり絶望感に満たされることも多いです。
それでも、やはり確実に前に進んでいるのです。
小さなことから少しずつ。
誰でも同じことです。
私の場合は見える変化が多いというだけですが、それが私にはありがたいのです。