優雅なホテル生活でした
私は次のステイ先に行くまで現地のホテルに滞在することになりました。
そこには洗濯機と乾燥機、キッチンまであって、とても嬉しかったです。
次の家に長くいる気はなく、スーツケースに荷物を詰め直し、洗いたいものを洗いたいだけ洗濯機に放り込みます。
小袋に洗剤と柔軟剤も入っていたので遠慮なく使わせてもらいました。
待っている間にキッチンにあったインスタントコーヒーを入れ、久しぶりのテレビを堪能しました。
近所のスーパーで食事を調達し、温めて食べ、シャワーを浴びたら暖房のきいた部屋でくつろぐ。
とても贅沢な時間でした。
なぜかWi-Fiは使えませんでしたが、心ゆくまで休息を楽しみました。
日本にいた頃は不安で夜もテレビをつけたまま眠っていましたが、こちらではそうもいきませんでした。
しかし、ホテルならテレビをつけっぱなしにしていても大丈夫なので、懐かしいライフスタイルに少しだけ戻りました。
窓から見える夜景の美しさに、胸がツンっとし淋しさを感じましたが、それ以上の解放感を得ていました。
外には大きな公園があって、木々が揺れています。
国の中でも有名なタワーがライトアップされている姿を見るのは初めてです。
ベッドに転がりながら、新鮮な記憶を反芻します。
幸せでした。
私が何気なくテレビを見ていた時、日本の有名なアニメが流れました。
もちろん全部英語ですが、内容は理解できます。
冒険と友情を訴える物語に自然と込み上げるものがありました。
私は主人公よりもずっと年上なのに。
主人公の方が過酷な環境にいるのに。
自信がない私は画面の中で輝くキャラクターが少し羨ましかったのです。
仲間に囲まれて、たくましく試練を乗り越えていくことができたら、どんなに幸いだろうと心底思いました。
次の家では上手くやれるといいな。前向きな気持ちになってペンをとりました。
私は希望をもって手紙をしたためたのです。
急な滞在を受け入れてくれて感謝していることや私の症状、仲良くしたい旨をできるだけ丁寧に綴りました。
そして日曜日。
私は語学学校から派遣された送迎車で新しい家に向かいました。