シャワーを浴びてもいいですか?
毎日のようにお風呂に入る。日本人にとって当たり前の習慣ですよね。
私はとにかく清潔にしないと布団に入れないタイプ。高熱でも身体を洗います。
海外では1回12分以内が好ましいみたいですが、かつて私はそれに2時間ほどかけていました。何度も心療内科の先生と相談したり、家族に管理してもらったりと練習を重ね、渡航直前には15分で終わらせられるようにしていました。
しかし、この国で私がシャワーを使えたのは週1〜2回。ひどい時は10日以上間隔が空きました。
さすがに、身体を拭くことはしていましたが、それでも耐えられるわけありません。
しかも、その家ではシャワーは禁止でした。どういうことかというと、あらかじめバケツ1杯分だけお湯を汲んで、100円均一のお店にあるようなプラスチックのコップで掬い、流すというもの。
ありえませんよね……
私の滞在先での1日に1家庭が使う水量は平均227リットルだそうなのですが、これって申請している人数によって変わるみたいらしいです。詳しいことはわからないのですが。
恐らく、3人と言いつつも実際には倍以上の7人が住んでいたので、水とお湯が足りなかったのだと思います。
もちろんホストマザーに毎日のようにシャワーを使ってもいいか尋ねていましたが、大体は「今日は寒いからダメ」とか「疲れているようだから眠りなさい」と拒否されるのです。
それで、学校が終わるとすぐに帰って彼女がいない時に娘さんにお願いしてお風呂場を使っていました。あまりの悲惨さに涙が出ます……
とは言っても、これは私のいた家が特殊なだけだと思います。
いくら冬場とはいえ、ここまでお湯が使えないものなのかと思い語学学校のスタッフさんとお話しました。すぐにステイ先に連絡を入れてくれたのですが、その回答が酷くて悲しくなったのを覚えています。
曰く「シャワーだとお湯に切り替わるのが遅いから、はやく済ませるための選択肢としてバケツ入浴を勧めただけ」とのこと。
いやいやいや! 私がシャワーの使い方を聞いた時には壊れてるって言ったじゃないですか!!
そして、帰宅すると「学校は私を嫌っているから、そういうことは直接言って。学校には言わないで」と釘を刺されてしまいました。
そもそも、スタッフさんによると嫌いだったら学生を紹介しないということで、それは彼女の被害妄想だったわけですが、トラブルがあると大事な収入源の学生の受け入れができなくなることを危惧したようです。
まあ、私としてはやっとシャワーの使い方を教えてもらえたのでよかったのですが。
もちろん、病気のこともあるので、スタッフさんとはまめに話し合うことになっているので、彼女には悪いですが報告はしていました。
頻度は上がったけれど、毎日には程遠かったですし、けっこう知ったかぶりをされてしまって困ることがありましたからね。
そして、それは確実に私の心を擦り減らしていたのです。限界を迎えるまでそう長くはかかりませんでした。