ベジタリアン? ビーガン?
私にとって不自由だったのは食事でした。
事前情報にはありませんでしたが、ホストファミリーは菜食主義者。つまり、食卓には野菜しか並びません。しかも、インド人。
全ての味付けにスパイスがふんだんに使われていて、とても辛くて食べれません。もともと、濃い味付けや調味料が好きでないので、大いに困ったものです。
肉も魚も食べさせてもらえない日々。私は空腹に耐えかね、学校帰りに軽くファストフードを食べるようになりました。
反対に一緒に街へ繰り出す友人のステイ先は肉しか出ない家。
お互いにいろんな問題がありました。
彼女はホストとの関係が希薄だったものの、裕福な家庭に滞在していました。朝ごはんも、夕飯も1人。ずっと自室に籠っていたそうです。
一方で、私は関係は濃いけれど、とても貧しい家にいました。
Wi-Fiも自由に使えないし、1日に1時間だけしかそのスイッチを入れない。しかも、そのコンセントがなぜか私の部屋にあったので、寝ていようがお構いなしに入ってくる状態。プライバシーなんてあったものじゃなかったです。
朝食はお互い16枚切りの食パン1枚だけ。こっそり、もう1枚をラップに包んでお昼ごはんにしていたのを覚えています。
1日に2ドル払えば、お弁当を作るとホストマザーは言ってくれたのですが、食生活があまりに違って、私は彼女の手料理を口にすることが難しかしかったので、断りました。
幸いにも、彼女たちはベジタリアンだったため、卵とミルクは摂取できました。
私はそれまでベジタリアンとビーガンの違いを知らなかったのですけれど。
学校の知り合いに完全菜食主義者、ビーガンの方がいらっしゃり、以前ご自宅に伺ったことがあります。その時に出してもらった食事は完全に卵・乳製品を使っていないもので、とても驚いたことがあります。そのお話はまた別の機会にでも。
とにかく、野菜しか口にできない生活をファストフードでごまかしていました。何かおやつを食べたくても、自室での飲食は禁止でしたし、リビングで食べるなら娘さん達にも用意しないと、という気になってしまう始末。
一度だけ、娘さんが私の焼いたステンドグラスクッキーの画像を見て、作りたいと言い出したことがありました。
私も普段から家事を手伝っているものの、お菓子はまだ作ったことがないと思い、週末に焼きました。
どの家にも大きなオーブンがあるので、気軽にできるのがいいところ。
しかし、さすがインド人。
オーブンの中にまでスパイスのにおいが染み付いてて、とても辛いクッキーが出来上がったのです。本人たちは満足していましたが、私はちょっと残念になりました。
それでも、独特の訛りで「ヘルディー」と言い喜んでいたので、それはいい思い出かもしれません。
ちなみに、「ヘルディー」はおそらく「healthy」のことです。最初は戸惑いましたが、口癖のように繰り返されるので、慣れてしまいました。
発音はお互いに第二言語を使っているので、難しいところですよね。