出てこなかった言葉
よく英語が喋れないと誤解されてしまうが、パニック状態の時です。
不測の汚いと思う場面に遭遇すると、声が出ないのです。
たくさんの考えが頭を駆け巡りますが、何も言えずに終わって、後から呪文のように、気持ち悪いと呟くということが、多々あります。
例えばそれは誰かがぶつかってきた時。
謝られても、汚れた事実は変わらないのでは、なんて思っているうちに相手は去って行きます。
そうして、そのまましばらく呆然としてしまうのです。
しばらくすると、自然に涙が滲み、頭の中をたくさんの可能性が飛び交います。
それは憶測であり、妄想の域に達しているのかもしれません。
どこかで転んだ人かもしれない。
洗濯していない服かもしれない。
土がついていたかもしれない。
などというくだらないことばかりです。
それでも、この不合理的思考に囚われてしまうと、なかなかループから抜け出せないのが、困るところです。
一度でも着たものは全て洗濯しますが、そういう場面に出くわすと同じものを2回も洗ってしまうことも日常茶飯事。
1番の難関がカバンなのですが、これはもう拭くしかなくて、持ち運んでいるウェットティッシュで気がすむまで清めます。
新品のパッケージをまるごと使ってしまった時の罪悪感は大きいですが、強迫行為の最中はそれに構う余裕もありません。
言葉も忘れるほど必死なのです。