タイツのままシャワーを浴びる
雨の日は外出したくありません。
しかし、どうしても学校に行かなくてはいけない日もあります。
そしていざ、エントランスに辿り着くと、雨が降っていなくても、地面がぐっしょりと濡れているのが見えます。
すると外に出るのをためらってしまいます。
私は単に雨水が怖いわけではありません。
むしろ傘を持つのが苦手なくらいで、小雨ならさしません。
私が真に怯えているのは、トラックやバスがスピードを出して走った時に現れる水飛沫です。
タイヤや地面に触れた水を少しでも被るなんて耐えられるはずがありません。
何度か、もしかしたら…… という妄想のせいで、授業を諦めて学校には着いたものの帰るということもしてしまいました。
コートを捨てたこともあります。
また、帰りこそはしませんが、水溜りを蹴ってしまうのも恐ろしいのです。
特に公園から流れてきた土を含んだ水。
あれが足にかかった時はパニックになり1日中集中できませんでした。
そして、家に着くとすぐにシャワーボックスへ飛び込みました。
タイツの上からシャワーをかけて、とにかく砂を落とすのに必死でした。
もちろん奇行なのはわかっています。
それでも、そのままでベッドルームに行きたくありませんでした。
普通の人が見たら逆に汚いかもしれません。
しかし、これが、妄想に囚われた患者の姿です。