病気が私の背中を押した
最近になってよく考えることがあります。
なぜ私はここにいるのか。
そんなの理由はわかりきっているのです。
日本にいたら、家から一歩も出られないほどの激しい強迫観念とそれを打ち消すための強迫行為にさいなまれるからです。
手はあかぎれでボロボロになりましたし、たくさんの時間を費やし、不合理な妄想に悩まされてきました。
このまま学校に行くのがとても苦痛になって、逃げたのです。
そして、逃げた先で学校に通い勉強をし、自活を再び始めたのです。
最初はホームステイで、次にシェアハウス。
まだ1人暮らしには到底戻れそうにはありませんが、なんとか頑張っています。
しかし、劣等感はあります。
この2年の間に私の同級生たちは着々と社会に出ようとしています。
その姿を目の当たりにして、遅れをとっていると感じる瞬間もあります。
もし症状が悪化していなければ、私は国を出なかったでしょう。
そして、みんなと同じようなふりをし続けていたのではないでしょうか。
病気が私をここに連れてきてくれたから、普通よりは英語ができるようになりました。
不利なことが得意を連れてきたのです。
それでも、みんなと足並みを揃えることを諦めたことに罪悪感もあるのです。