インドからおばあちゃんが来ました
ある日のことでした。
家に帰るとホストマザーから彼女のお母さんが遊びに来ることを伝えられました。
インドからはるばるやって来ることに驚きながらも、私は了解の意を伝えました。
そして、数日後に彼女は来ました。
ベジタリアンではないようで、お肉も食べるらしくすらっとした方でした。
とても賢い女性でいつも新聞のクロスワードやパズル、ロジックを解いていました。
ホストマザー同様に料理が上手く、プーリーという油で揚げたナンのようなものをよく作ってくれました。
これは私の好物の1つです。
彼女に食べさせてもらって初めて知ったので、彼女のものしか味はわからないのですが、香ばしくサクッととした食感が魅力的です。
香草が練り込まれた生地は揚げることで膨らんで真ん中が空洞になっているのです。
これがプーリーです。
本当はソースなどと一緒に楽しむそうですが、あいにく私には向いていませんでした。
とはいえ、これ単体でも充分においしいのです!
しかし、遊びに来ただけのはずの彼女が1ヶ月経っても居続けるので、いつまでいるのかを尋ねると7ヶ月後までというではありませんか。
さすがに長すぎました。
これ以上、家族団欒の中にお邪魔することが余計に心苦しくなってしまったのです。
異文化の体験をしっかりと味わうことができた貴重な出来事。
私にとってそれはそんなに長くなくてよかったみたいです。
毎日の服薬を怪訝そうに見られるのもなんだか恥ずかしくなってしまったのです。
そうやって私の心は段々とホームステイをやめる方向に傾いて行きました。
しかし、今回は自分の意思で。そして感謝の心を持って決めたのです。
少しずつ明るくなっていく気がしていました。